TANITA 健康をはかる

健康のはかり方 製品紹介 ユーザーサポート 企業情報 ショッピング

株式会社タニタ > 健康のはかり方 > 第4話:内臓脂肪の蓄積が高血圧、血液脂質異常、高血糖を引き起こすメカニズム

日本生活習慣病予防協会理事長 Dr.池田 義雄

内臓脂肪の蓄積が高血圧、血液脂質異常、高血糖を引き起こすメカニズム

内臓脂肪が過剰に蓄積することによって起こりやすくなる病気には、主に糖尿病、高血圧、血清脂質異常(高脂血症)があり、これらの積み重ねが多ければ多いほど動脈硬化が促進されます。なぜ内臓脂肪が過剰に蓄積すると、これらの病気の発症リスクが高まるのでしょうか?

内臓脂肪そのものがホルモンを分泌して体に悪影響を及ぼす

皮下脂肪は生理的に必要なもの、特に妊娠・出産など女性にとって大切な役割を果たす一方、内臓脂肪はメタボリックシンドロームを引き起こす根源になっているということを第2話でお話ししました。
では、なぜ内臓脂肪はメタボリックシンドロームを引き起こす根源になっているのでしょう。それは、内臓脂肪からホルモンやホルモンに似た物質(アディポサイトカイン)が数多く分泌されていて、その中に人の身体に悪影響を与えるような物質が含まれているからなのです。

皆さんは、「インスリン」という名称を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、炭水化物の代謝を調整し、血糖値の恒常性を維持してくれるという重要な役目を担っています。血糖値を下げてくれるので、糖尿病の治療にも使われています。

このインスリンと内臓脂肪から分泌されている「アディポネクチン」という善玉アディポサイトカインが一緒に働くと、インスリンの作用が良くなると言われています。

ところが、内臓脂肪が過剰に蓄積されると、アディポネクチンの分泌が減りそのためにインスリンの作用が低下し、糖尿病を引き起こすリスクが高まっていきます。 ほかにも、血圧を上げる物質や、血管に直接作用して動脈硬化へと導く物質(悪玉アディポサイトカイン)も分泌されるということが分かっています。

内蔵脂肪は自分のために血圧を上げる!

内臓脂肪から排出されるさまざまな物質の中で最近、注目されているのが血圧を上げる成分であるアンギオテンシノーゲンです。
なぜ、こうした物質が内臓脂肪から分泌されるのでしょうか。それは、体に蓄積されていく内臓脂肪への血流確保という側面があるためで、その結果として内臓脂肪自体から、血圧を上げる成分(アンギオテンシノーゲン)を分泌するというわけです。これによって高血圧が誘発され、その影響によって動脈硬化が進み、さらに糖尿病が引き起こされるという悪循環が生じるのです。

遊離脂肪酸という物質も問題です。内臓脂肪が分解する際に生成されるもので、これらは全て一旦肝臓に到達することが分かっています。これによって肝臓では、脂肪の濃度の非常に高い血液が絶えず流れ込むといった現象が生じ、脂ぎった状態になる、いわゆる脂肪肝になってしまいます。脂肪肝になると、代謝や排出などの機能が低下し正常な働きができなくなり、血清脂質異常がさらに容易に起こってしまうことになります。加えて脂肪肝は、インスリンの作用を低下させる要因にもなります。

正常な肝臓と脂肪肝

糖尿病や高血圧、血清脂質異常が発症すると、酸化ストレスが増えてきます。すると、正常なコレステロールが、悪玉の酸化コレステロールに変わってしまいます。コレステロールは酸化されると、血管に沈着しやすくなります。その結果、動脈硬化を引き起こすことになるのです。


腹囲をはかることはメタボリックシンドロームかどうかを知るための第一歩ですが、メタボリックシンドロームにならないためには、体組成計を使って、日常的に自分の体組成を管理していくということが、非常に大切であると言えるでしょう。


メタボリックシンドロームの解消へ「一無、二少、三多」

内臓脂肪の過剰な蓄積が体に悪影響を与える悪玉サイトカインの分泌を促進し、インスリン作用の低下や高血圧、血清脂質異常などを誘発して、連鎖的に動脈硬化を進ませることがおわかりいただけたかと思います。
ではどのような対策が必要なのでしょうか?

私は日ごろから「一無、二少、三多」というスローガンを掲げ、これを「健康標語」としてさまざまな機会を通じてお話しています。

「一無」とは「無煙」をさします。まさしく禁煙のすすめです。喫煙年数や1日の喫煙本数が疾患(特に肺癌)に与える影響は、厚生労働省など公的機関からもさまざまな方法で告知されるようになりました。近年はストレス解消や気分転換を求めることから女性の喫煙者も増加していますが、喫煙は美容(肌の健康)にも良くないと言われています。まわりの喫煙していない人へも悪影響を与えることから、「禁煙」をすすめています。

食べる男性のイラスト

「二少」とは「少食・少酒」のことです。食事は腹八分目、飲酒は少酒・節酒を心掛けてください。食事の基本は「バランスの良い食事を1日3食、適量を食する」こと、そして時には「適量のお酒を楽しむ」ことがあってもいいでしょう。飲酒をする場合は、お酒だけではなく「つまみ」にも気をつけてください。意外に高カロリー・高塩分のものが多く、又このような「つまみ」が酒量を増やすことにつながります。多すぎるお酒は肝臓に負担を掛けることになります。「万(よろず)の病は酒よりこそ起れ」を肝に命じ、飲める人でも「少酒」の抑えるように致しましょう。


「三多」は「多動・多休・多接」です。運動・休養(睡眠)・コミュニケーションのすすめです。 運動というと、スポーツとか筋肉トレーニングを連想する人が多いと思いますが、本格的な内容よりもまずは「座るよりも立つ」、「乗るよりも歩く」など、日常生活の中で少しでも意識的に体を動かすことを身に着けることが第一歩です。休養(睡眠)はしっかりとからだを休める、そして睡眠をとるということです。人間の体は睡眠中にさまざまなホルモンが分泌されて、昼間に働いた部分を修復したり、補充したりしています。しっかりと睡眠をとることで体はリセットされますし、朝の目覚めも気持ちが良いはずです。規則正しい生活をしていれば自然に出来ることなのですが、現代社会においては睡眠も重要な健康要素としての対応が必要です。

歩く女性のイラスト

最後はコミュニケーションです。出来るだけ多くの人と接し、会話し、日常生活にメリハリを付けるように心掛けてください。比較的家の中にいることが多い主婦の方でも買い物などに出かけたら、店員さんとかご近所の人と話しをする、職場の仲間と会う機会を設ける....。人と接することで気分転換をはかり、これによってストレス解消を促し、日常生活の充実をはかるように致しましょう。

健康な体、健康な生活を送るためには意外と努力が必要なものです。健康に近道はありません。自分にあった方法や出来るレベルの行動から始める事が長続きのコツです。今の生活を未来につなげるために努力を惜しまず、「一無、二少、三多」の実践を心掛けてください。

▲  このページのトップへ

お問い合わせ海外拠点採用情報 プライバシーポリシーサイト利用条件サイトマップ