2025.06.19
早ければ2025年夏にも、国土交通省の要件を満たしたロボットやパソコンなどの点呼機器を活用した、業務前自動点呼ができるようになります。これにより、運行管理者の業務負担が軽減するほか、運送業界で慢性的に抱える人手不足の解消などが期待されています。 今回はタニタのアルコール検知器ALBLO(アルブロ)「FC-1200」「FC-1200F」「FC-1500」と、業務前自動点呼機器として国土交通省から認定されたクラウド型点呼支援システム「点呼+」を多くの企業に提供している株式会社ナブアシスト様に、点呼機器の運用方法や導入による働き方の変化、「FC-1200」「FC-1200F」「FC-1500」を使用していただいているお客様の声などをお伺いしました。
INDEX
株式会社ナブアシスト
ロジスティクス事業部営業部 DX営業課 課長 星野俊行(ほしの としゆき)さん
クラウド型点呼支援システム「点呼+」の販売を担当。運送会社などのお客様にサービスを提案している。
ロジスティクス事業部営業部 DX営業課 セールスリーダー 日下拓哉(くさか たくや)さん
お客様向けのウェブセミナーの企画や運営、ホームページからの問い合わせ対応などを担当されている。
株式会社ナブアシストは、1975年12月に設立。流通小売業、卸売業、運送業、自治体、介護事業者などのお客様に対し、ICTを活用したソリューションやサービスを提供しています。
運送業向けには、運行支援(デジタコ)や運転者の労働時間管理に加え、すべての点呼業務を一元管理できるクラウド型点呼支援システム「点呼+」を提供しており、ロボット版・デスクトップ(パソコン)版・モバイル版の各デバイスで利用が可能です。また、同サービスのロボット版は2022年12月、デスクトップ版は2023年2月に業務後自動点呼機器として国土交通省から認定されました。ナブアシストは、多様な運送業様に特化したICTソリューションを通じて、お客様の働き方改革と安全対策の強化を実現しています。
――自動点呼とはどのような点呼方法か、簡単に教えてください。
星野さん:
自動点呼とは、運行管理者が運転者に対して業務前もしくは業務後に原則対面で実施している点呼を、ロボットやパソコンなどの点呼支援機器が代わりに実施するものです。
現時点で自動点呼の導入が認められているのは業務後自動点呼のみですが、業務前自動点呼は2024年6月から一部事業者で先行的に実施しており、2025年夏頃には本格運用が始まるとされています。
――業務後自動点呼と業務前自動点呼の違いについて教えてください。
星野さん:
業務後自動点呼とは、業務後(運行後)にロボットやパソコンなどの点呼支援機器が点呼における確認や指示事項の一部もしくは全てを代替する点呼方法で、点呼機器の故障などの点呼実施継続が困難なとき以外は、運転者だけで点呼を完了できます。
一方、業務前自動点呼は、業務前(運行前)の点呼であることから、確実性はもちろん安全性の担保も求められます。
まず、点呼機器がアルコール測定結果や疾病・疲労・睡眠不足などの健康状態から、安全な運転をすることができる状態かを自動で判定。そして、安全な運転をすることができないおそれがあると判定した場合には、直ちに運行管理者に対し通知し、最終の運行可否判断は運行管理者が行います。
▲「点呼+デスクトップ版」の設置イメージ
――業務前自動点呼の導入によって、新しくできるようになることやメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
日下さん:
対面点呼の場合、これまでは運行管理者が離席していると点呼が始められませんでした。しかし業務前自動点呼を導入すれば、運行管理者がいなくても点呼支援機器のチェックを受けることで、運転者は業務を始めることができます。
業務前の点呼に充てる時間をほかの業務に割くことができるため、事業者や運行管理者にとっても生産性の向上や人手不足の改善が期待できます。
メリットはそれだけにとどまりません。点呼支援機器が点呼を行うことにより、点呼内容の記録漏れや確認事項の伝達漏れなどのミスがなくなり、正確性も一段と向上します。
さらに、運転者に対するメリットとしては日々の体調変化に気付きやすくなる点が挙げられます。業務前自動点呼では血圧や体温をはかるため、運転者自身の健康データをより正確に把握できるようになります。
▲点呼記録簿は自動作成され、点呼支援ウェブサイトからいつでも閲覧可能
――業務前自動点呼機器を導入するためには、どのような条件があるのでしょうか。
星野さん:
国土交通省が認定した点呼機器とその機器に対応するアルコール検知器を導入することが前提となります。このほか、点呼を実施する場所にはなりすましを防ぎ点呼の確実性を高めるため、監視カメラを設置するなど不正ができない環境を整備することも求められています。
――業務前自動点呼機器の導入までの流れを教えてください。
日下さん:
弊社の場合はお客様との商談がまとまった後、お客様が導入したいシステムや拠点数などをヒアリングし、システム構築に着手します。商談がまとまってからシステムの構築が完了するまでにかかる期間はおよそ1.5カ月~2カ月と、短期間で導入が可能です。
――「点呼+」使用時の流れについて教えてください。
日下さん:
運転者が「点呼+」を使用するには、まず本人を確認するための顔写真と運転免許証を機器に登録します。登録後は点呼支援機器の指示に従うだけで、顔認証や免許証の確認、アルコール測定や体温・血圧などの健康状態をチェックすることができます。
点呼が終わると自動で記録簿が作成されるので、運行管理者はウェブの管理画面で運転者の点呼記録や健康状態をチェックすることができます。仮に点呼中にアルコール検知器でアルコールが検知された場合、運行管理者にメールやチャットなどで『アルコールが検知された』ことをただちに知らせます。
▲「点呼+ロボット版」に接続した「FC-1500」でアルコールチェックをしている様子
――「点呼+」に対応するタニタのアルコール検知器について、評価していただいているポイントがあればお聞かせください。
日下さん:
ユーザーからは使いやすく、測定方法がわかりやすいとの声をいただいております。また、アルコール検知器メーカーとしての認知度の高さだけではなく、機器の精度や信頼性も高いです。
現在、「点呼+」に対応しているタニタのアルコール検知器はパソコンに有線で接続するモデル「FC-1200」「FC-1200F」「FC-1500」ですが、近いうちにBluetooth連携可能モデル「FC-1500C」にも対応できるようになります。
▲新たに連携可能になる「FC-1500C」
――業務前/業務後自動点呼機器の導入をおすすめする業界や企業の特徴を教えてください。
星野さん:
「点呼+」を導入していただいている企業の多くは運送業です。その割合は90%以上にものぼります。業務後自動点呼や遠隔点呼が導入されてからはバス・タクシー事業者への導入も増えています。
自動点呼機器を導入する企業は、保有するバスやタクシー、トラックの車両台数が30台未満となる中小規模の企業で、人手不足の解消や働き方改革を目的として導入される場合が多いです。
一方で拠点数の多い大規模な企業は、機器やシステムを用いて運転者が遠隔拠点にいる場合でも対面点呼と同等の確認を行う「遠隔点呼」と併用して、自動点呼も導入する場合が多いのが特徴です。
このように目的や企業規模に合わせて点呼方法を選択することをおすすめしたいと考えています。
――業務前/業務後自動点呼システムと、タニタのアルコール検知器の導入を検討している企業の方にメッセージをお願いいたします。
星野さん:
弊社は国土交通省や各種協会・団体と連携し、自動点呼制度化への活動を推進してまいりました。今後も、多くの導入実績を誇る信頼性の高いアルコール検知器を使用した高度な点呼機器により、安心・安全・効率的な点呼業務を実現するパートナーとして、事業者様のご期待にお応えできるサービスを提供してまいります。自動点呼や点呼システムに関するお問い合わせがございましたら、お気軽にご連絡ください。
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