【活用事例】新潟大学村山先生の「交通科学」研究で活躍するzaRitz

2025.06.24

村山先生が話している様子

新潟県警とともに高齢者の交通事故をなくそうと日々活動している新潟大学の村山敏夫准教授は、「交通安全教室×健康教室」などの取り組みでタニタの運動機能分析装置「zaRitz(ザリッツ)」を活用しています。村山先生はzaRitzについて、「立ったり座ったりするだけで計測できる簡便性に加え、パワー、スピード、バランスといった計測項目を点数化しているのでわかりやすい」と話しています。 今回はタニタの「zaRitz」を導入した経緯や、どのように研究に役立てているかなどを、村山先生に聞いてみました。

プロフィール

プロフィール画像

村山 敏夫 先生
新潟大学教育研究院 人文社会科学系 教育学系列 准教授
教育学部 准教授
工学部 工学科 准教授


生体情報の分析を専門とし、幼児の健康教育や高齢者の介護予防、新潟県内の高齢者の健康格差や交通安全に関する研究に従事。加えて自動車関連企業や交通科学関連団体などが取り組む交通安全活動にも協力している。
 


新潟県警察と共同で取り組む交通安全活動で「zaRitz」を活用

――まず、新潟県警察との交通安全活動について教えてください。


新潟県警と交通安全活動に取り組むことになったのは、2015年ごろ「高齢者の交通事故が減らない」と私の研究室に相談があったのがきっかけです。
当時、新潟県内の交通事故件数は減少してきていたのですが、高齢者の交通事故件数は横ばいの状況でした。交通事故を減らすためには、高齢者の交通安全意識向上が急務だったのです。


そこで提案したのが『交通安全教室✕健康教室』。2016年からスタートし、新潟県内の市町村で、年間約10カ所で実施しています。これまでに延べ3,000人以上が参加しており、新潟県の交通安全教室の定番のスタイルになったといっても過言ではありません。
 

村山先生が話している様子

『交通安全教室✕健康教室』ではタニタの運動機能分析装置「zaRitz」を使った体力測定や、歩行シミュレーターを使った横断歩道の危険性の体験を行います。
体力に自信を持っている高齢者でもシミュレーターの中では事故に遭うことが多いのですが、その結果と体力測定の結果を照らし合わせると、体力得点の結果の低い人ほど事故に遭いやすい傾向があることがわかっています。


体力測定とシミュレーターを体験した後は、新潟大学の学生たちが考案した体操と、学生による健康維持と交通安全に関する講話を行います。交通事故を起こさないためには、頭やからだを鍛えることが大事であることなどをお話ししています。


交通科学研究への運動機能分析装置「zaRitz」導入のきっかけ

――『交通安全教室✕健康教室』をはじめ、様々な取り組みでzaRitzを活用いただいておりますが、導入のきっかけについて教えてください。


zaRitzを知ったのはある学会の展示ブースでした。
当時、体力測定は計測する側も計測される側も面倒で、とても手間がかかると感じていました。
しかし、zaRitzは立ち上がるという一つの動作だけで様々な運動機能が分かると知り、強い興味を持ちました。その場で『デモ機を借してほしい』とタニタの担当者に頼みましたね。
運よく借りることができたので、近隣の病院や運動施設に設置してたくさんの人に使ってもらいました。体力測定の便利さから、すぐに研究に取り入れることにもなり、『交通安全教室✕健康教室』にも組み込んで、10年以上活用しています。

▲阿賀町での運動機能測定会の様子(2016年2月3日)

zaRitzにしか実現できない、簡便性

――健康や運動機能をチェックするための様々な機器の中から、zaRitzを選定いただいた理由について教えてください。


圧倒的な簡便性です。立ったり、座ったりするだけで計測できる分かりやすさや、学生や現場指導員への説明がしやすいことも利点です。
また、結果が「体力得点」という点数で表示されることで理解しやすく、フィードバックも容易であることもzaRitzを選定した理由の一つです。『交通安全教室×健康教室』でも、計測した高齢者同士で点数を見せ合ったり、競争したりして盛り上がっている場面をよく見ます。こうした測定者と被測定者の双方にとっての分かりやすさが、高い満足度につながっていると考えています。
 

▲zaRitzでの計測時のイメージ


「zaRitz」で分かるパワー、スピード、バランスに注目

――交通安全活動において、zaRitzによる計測結果の中でも特に有用な点や重要だと考える計測項目がありましたら教えてください。


「パワー」「スピード」「バランス」の3つの項目に注目しています。「立って、座る」という一つの動作の中で、これらの項目を同時にはかれる機器は少ないと思います。

 

大学が様々な機器を使用して運動機能のデータを取ったとしても、なかなか測定者に理解してもらえないことが多く、次のアクションにつながらないことが課題でした。
一方zaRitzでの体力測定では、パワー・スピード・バランスという分かりやすい言葉で、しかも計測した数値ではなく点数として示すことができるので、測定者へも非常に説明しやすいです。
実際、zaRitzで計測した高齢者からは『これまではまったく意識していなかったパワーやスピード、バランスといったからだの状態を認識できるようになり、とても面白い』という声がありました。
 

▲佐渡市での運動機能測定の様子(2018年6月7日)


交通安全活動と運動機能分析装置「zaRitz」のこれから

――zaRitzを活用した交通安全の取り組みの展望について、教えてください。

私の取り組みを知って、いくつかの医療施設にも機器を導入してもらいました。現場の担当者からも、限られた時間の中で大人数を計測しなければならない状況で、zaRitzによる体力測定の「簡便性」「フィードバックのしやすさ」は大きな魅力になっていると聞いています。


高齢者が交通事故に遭わないようにする対策の一つは、自分の今のからだの状態を客観的に理解できるようになることです。
「体力には自信があるから大丈夫」と慢心せず、自身のからだの状態を正しく知って、日常生活の中で身体活動を取り入れるような改善を行う。また計測して、成果をフィードバックする…。
zaRitzを使って、「からだをはかること」がより身近になって、こういう循環が生まれることを願っています。

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