運動

運動の重要性とその効果

2021.10.01

運動をすることの大切さとその効果を知れば、 運動がもっと楽しくなります。

運動とは

運動とは「からだを動かすこと」で、最近では日常生活での活動(生活活動)とスポーツなどの運動を合わせて身体活動と呼ばれています。そもそも人間は動物であり、他の動物と同じように「動く仕組み」がからだの中に備わっています。しかし便利な世の中になるにつれ、運動する機会が激減しました。多くの人が運動不足を感じており、運動したほうが良いということは理解をしていても様々な理由(暑い、寒い、忙しいなど)により習慣化するのは難しいのが現状です

なぜ運動しなくてはいけないのか

運動をした方が良いうことはなんとなくわかっていると思いますが、なぜ運動をしなくてはいけないのでしょうか。それには大きく2つの理由があります。

1.生活習慣病の予防

食べ物から摂取したエネルギーと運動により消費したエネルギーがバランスよく保たれていることが健康の為に良い状態です。しかし食べる量は変わらず、運動を行わないと摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、使われなかったエネルギーは脂肪としてからだに蓄えていきます。この状態が幾度となく繰り返されると、脂肪が必要以上に蓄積し、肥満となります。そして肥満が原因となって糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病になるリスクが高くなります。

2.筋力やからだ機能の維持

体調を崩し1週間ほど寝込んでいた後は、疲れやすかったり、普段のように動けないなど、体力や筋力、持久力などが衰えていると感じたことがあるかと思います。人間は持っている機能を使わないと驚くようなスピードでその機能は低下していきます。

たとえば「歩く」という動作。簡単に行っているようですが、歩くときには腸腰筋(大腰筋・腸骨筋など)、大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋など)、大腿二頭筋、前頸骨筋、下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)といった多くの脚の筋肉を使って、1歩、また1歩と歩きます。さらにお尻や腰、背中、腕の筋肉も使用しています。つまり全身の筋肉を使ってはじめて「歩く」ことができるのです。また重心を移動させて前に進むためにはバランス能力、さらには長い時間動くことができる心肺機能も必要となります。

もし「歩く」動作をしなくなったら、多くの筋肉が減少し、さらにバランス能力、心肺機能が低下します。こうなってしまうと歩くスピードが落ち、信号を渡りきれない、または荷物を持つとバランスが保てずふらついてしまう、小さな段差でつまずき転んでしまうなど日常生活に多大な影響を及ぼす恐れがでてきます。このようなことに事態にならないために毎日歩くことが必要なのです。歩くことで必要な筋肉、機能が維持されます。また筋肉量は成長期に増え、その後加齢とともに減少していきます。しかし筋肉は骨とは違って、いくつになってもトレーニングを行えばその分増やすことができる組織です。

運動の効果

身体的な効果

運動の効果はからだの機能面によく表われますが、疾病に対しても効果があります。

  • 健康的な体形の維持
  • 体力、筋力の維持および向上
  • 肥満、高血圧や糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防
  • 加齢に伴う生活機能低下(ロコモティブシンドローム)の予防
  • 心肺機能の向上により疲れにくくなる
  • 腰や膝の痛みの軽減
  • 血行促進により肩こり、冷え性の改善
  • 抵抗力を高める(風邪予防)

精神的な効果

思いっきり走った後に、爽快感や達成感などとても良い気分になった経験がある方も多いのではないでしょうか。このように運動をすると精神面にも様々な良い影響を及ぼします。

  • 認知症の低減
  • 不定愁訴の低減
  • 気分転換やストレス解消

どのくらい運動したらいいの?

みなさんは普段どのくらい運動をしているでしょうか?人によって運動量は大きく違います。これから運動を始める、という方は以下を参考に運動量を調節してみてください。

今より1000歩多く歩く!

普段2000歩程度しか歩いていない人に対して「1日1万歩歩きましょう!」と目標を掲げても、達成するのは難しいでしょう。そこで日常生活の中で「今より10分多くからだを動かしましょう」という指針が厚生労働省より出されました。 10分多く動くということは歩数にすると約1000歩多く歩くということになります。たとえばエレベータではなく階段をつかう、少しの距離は自転車ではなく歩くなどすると、より歩数が多くなります。歩行以外にも電車では立つ、買い物はカートではなくかごを持つようにするなど少し行動を見直すことで10分多く動くことにつながります。無理をしないで自分にできることを考えてみると良いかもしれません。

週2回 30分の運動

また息がはずむような運動を30分以上、週2回行うことも提唱されています。ウオーキング、ランニング、サッカー、野球、テニスなど、どのような運動でも構いません。楽しく継続して行うことができる運動をみつけ、習慣化されることをおすすめします。

参考文献:

宮地元彦,「健康づくりのためのからだ活動基準2013」,厚生労働省e-ヘルスネット,2013年

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-01-001.html

宮地元彦,「健康づくりのためのからだ活動指針(アクティブガイド)について」,厚生労働省e-ヘルスネット,2013年

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-01-002.html

 

  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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