
2026.08.05

地域社会の発展と人々の健やかな成長を支援する公益財団法人横浜YMCA。その拠点のひとつであり、健康づくりや発達教育支援に取り組む横浜北YMCAは、運動機能分析装置『zaRitz BM-220(以下zaRitz)』を導入しました。 zaRitzが地域福祉の拠点でどのように活用され、住民の健康意識にどのような変化をもたらしているのか。導入から約半年経過したのを機に、横浜北YMCAの森山真治さんと宮澤仁さんにお話を伺いました。
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横浜北YMCA 館長 森山 真治さん
横浜北YMCAの館長として、スポーツ指導を行う健康教育、学習障がいのある子どもの発達教育支援、近隣小学校の「キッズクラブ(学童)」運営などを統括。地域に根ざした幅広い事業の運営管理を担う。

横浜北YMCA 健康教育部 主任 宮澤 仁さん
健康教育部に所属し、子どもから高齢者まで幅広い層を対象とした水泳や体操などの運動プログラムを担当。現場での指導に加え、zaRitzの導入・運用や測定会の実施など、会員の健康づくりをサポートしている。
――まず、横浜北YMCAの事業内容について教えてください。
森山さん:
横浜YMCAは、1884年の設立以来、横浜を中心とした地域社会の中で様々な事業を展開する公益財団法人です。その拠点の一つである横浜北YMCAは、地域住民の健康増進と交流のハブとして活動しています。
具体的には、スイミングや体操などのスクール事業を行う健康教育に加え、近隣小学校でのキッズクラブ運営や、学習障がいのある子どもたちの発達教育支援活動など、子どもから高齢者まで多世代の「健やかな暮らし」を支える事業を行っています。
――zaRitzを導入する以前は、どのような課題を感じていたのでしょうか?
宮澤さん:
当施設に通っていただいている成人会員の方は、高齢の方が多くなっています。高齢化の傾向は地域社会全体を見渡しても感じられ、そこで課題になってくるのが「フレイル」や「サルコペニア」といった身体機能の低下を伴う状態です。
既存の会員様だけでなく運動習慣のない地域住民の方に対しても何かサポートできないかと模索していました。
森山さん:
特に、フレイルやサルコペニアにつながる大きな要因である「下肢筋群」にアプローチし改善したいという想いがありました。
私がそのために必要だと考えていたのが下肢筋群の状態の「見える化」。下肢の機能を測定して、会員の方にわかりやすく伝えることで、改善のきっかけにしてほしいなと考えていました。しかし、横浜YMCAで導入していた歩行測定機や一般的な体組成計では、筋肉の「量」ははかることができても、下肢の「機能」をはかることはできませんでした。
そこで出会ったのがzaRitzです。業界の専門書籍で、スポーツクラブや健康増進施設が取り組んでいる最新事情として商品が紹介されていました。ほかにはない「下肢筋群の機能」を測定できる装置だと知り、「これだ」と思いましたね。私たちが抱えていた課題と合致したため、すぐに導入を決めました。
――現在は具体的にどのような形で活用されていますか?
宮澤さん:
現在は、2~3か月おきに1週間程度の期間を設けてzaRitzによる「測定会」を実施。5月から開始し、6月、9月と定期的に開催しています。
主な参加者は、認知症予防運動である「コグニサイズ」や水泳、水中体操のプログラムに参加されている方々です。普段の運動プログラムの前後に気軽に参加できるように体制を整えています。また、会員の方だけでなく、一般の新規の方や、キッズ会員のお迎えに来た保護者世代にも声をかけ、幅広く測定を行っています。
――測定の流れについて教えてください。
宮澤さん:
測定から結果の解説まで一人あたり約10分の時間をとり、測定結果を元にその場でフィードバックを行っています。機器での測定だけで終わらせず、改善のためのアドバイスを行うところまでを1セットとして運用しています。
健康管理はもちろん、継続的な運動実施につなげるために、1回はかって終わりにしていません。「短いスパンで定期的にはかることで、運動の効果が見えますよ」とコミュニケーションを取り、継続的な測定を促しています。実際に会員の方からも「定期的に測定してほしい」という声があり、リピーターの増加にもつながっています。
――導入後、参加者の意識や指導の現場にはどのような変化がありましたか?
宮澤さん:
参加者からは「脚の機能をはかる機会は今までなかった」と新鮮に受け止められています。数値化されることで「自分の脚の筋肉は意外と衰えている」「ここが弱いから頑張ろう」といった目標設定につながり、運動へのモチベーション向上に役立っています。
また、スタッフからも測定結果を元に会員の方と深いコミュニケーションが取れるツールとして評価されています。測定結果の用紙を見ながら、「この数値が上がりましたね」「ここはもう少し鍛えましょう」といった会話が自然と発生し、スタッフと会員の方との関係性も深まっているようです。
――森山さんは、導入の効果をどのように評価されていますか?
森山さん:
現場での手応えは非常に大きいですね。zaRitzは体組成計のように筋肉の「量」ではなく、下肢筋群の「機能」――パワー、スピード、バランスといった要素を測定できます。
一般的な機器でははかれない「動き」や「機能」にフォーカスできるので、より細かくアプローチができるのです。導入前に想定していたように、やはりフレイル・サルコペニア対策において非常に有効なツールだと実感しました。
また、測定のハードルが低いというのも大きなポイントです。体組成計だと、どうしても体重や体脂肪率を「見たくない現実」と感じてしまう方もいらっしゃいますよね。一方でzaRitzは、「運動機能を確認する」「フレイル対策」といった健康維持への関心から測定に来ていただけます。「見たくないもの」ではなく「維持したい機能」を見るというスタンスなので、心理的なハードルが低いと感じます。
さらに、集客面でのメリットもあります。実は、測定会の参加者の約3割は非会員の方なのです。まだ運動を始めていない層も「脚の機能をはかる測定会」という取り組みには、興味を持っていただけるのだとうれしく感じました。zaRitzによる測定が「運動しなきゃ」と気づくきっかけにもなっているので、当施設では測定後に体験をお勧めして新規入会につなげるなどにも役立っています。
――zaRitzの活用における今後の展望についてお聞かせください。
宮澤さん:
今後は、蓄積したデータを活用したり、体組成計と連携した評価を行ったりして、より個々の課題や状態に合わせたプログラムの提案や、長期的な健康維持のサポートに役立てていきたいと考えています。
また、現在会員の方は高齢の方が中心ですが、フレイルやサルコペニアの予防は40代・50代から意識して取り組むことが重要だとされています。そのため、今後はキッズ会員の保護者世代などにも広げていきたいですね。
森山さん:
今回のzaRitzの導入は、神奈川県下のYMCAスポーツ施設の中で初めてでした。今後はこの成果を他のYMCA拠点にも広げ、それぞれの地域で同様の活動ができればと考えています。また、YMCAが運営する高齢者施設の会員様にも測定いただき、運動の必要性を伝えていきたいですね。
――最後に、導入を検討している施設の担当者へメッセージをお願いします。
宮澤さん:
zaRitzを導入し活用することで、運動への前向きな気づきや運動に対するモチベーションの維持につながる効果があります。また、スタッフにとっても会員の方とのコミュニケーションを取れるツールのひとつとして活用できます。イベントなどでも利用できますし、測定するだけで終わらせず、いろんなプログラムと組み合わせることでより効果的な取り組みにもなると考えています。
森山さん:
zaRitzは、現在の社会課題にマッチした機器だと思います。下肢筋群の機能低下を定量的に確認することができるので、ご自身の状態に気が付くことができます。
zaRitzで測定することは、寝たきりや転倒を防ぐために、早めに運動をはじめるきっかけになるという点で、非常に意義のある取り組みだと感じています。測定方法も簡易的で安全性が高いので、どなたでも安心して測定いただけますし、地域住民の健康につながる取り組みだと捉えているため、これからも続けていきたいと考えています。
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