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体組成計の素朴な疑問Q&A

2022.04.25

体重はもちろん、体脂肪率や基礎代謝量、筋肉量など、さまざまな観点からからだの状態をチェックできる体組成計。健康なからだづくりを目指すなら、ぜひとも味方につけたいアイテムです。 今回はそんな体組成計について、開発者が選び方や上手に使いこなすためのポイントをご紹介。初めて体組成計を使う方が抱きがちな「素朴な疑問」にお答えします。

回答者プロフィール

株式会社タニタ秋田 製造部 副工場長 小林 広拓
2000年にタニタに入社し、現在22年目。技術者として体重計や体組成計の機械設計や新商品開発に取り組み、2020年7月からは秋田の製造部に配属。部品づくりから製品組み立て、品質管理まで幅広い工程をチェックし、製造環境のさらなる改善や効率化に尽力している。


Q1 そもそもどうして、乗るだけで「体組成」がはかれるの?

A. からだに微弱な電流を流し、瞬時に解析を行っています

体組成計は、乗った人のからだに微弱な電流を流し、「電気抵抗値」を計測しています。簡単に説明すると、筋肉は電気が通りやすく、脂肪は通りにくいという特性を利用してからだの状態をはかっているんです。

この電気抵抗の数値に加え、体重や身長、性別、年齢などの情報を、タニタ独自のアルゴリズム(計算式)で瞬時に解析。体脂肪率や筋肉量、基礎代謝量などを数値化しています。 ちなみにこのアルゴリズムは、1万5,000件を超える生体データからタニタがつくったもの。「4C法」(4compartment model method)という医療機関や研究機関で体組成測定のゴールドスタンダードと信頼されている方法を基準にしています。


Q2 スポーツジム等にある「体組成計」と家庭用のものの違いは?

A. 実は、基本的なところはあまり変わりません

ジムなどに設置されている業務用の体組成計は、たくさんの人が頻繁に使うためにセンサーの耐久性をより高めていたり、電気的なノイズの影響を受けにくくなっていたりします。また、からだに流す電流の周波数が家庭用は1~2種類なのに対して業務用は最大6種類で、体組成をより細かく測定しているといった特徴があります。

しかし、業務用と家庭用を比べると、コアとなる部分、例えば解析アルゴリズムや体重や電気抵抗値をはかる仕組みに大きな差はありません。 タニタでは、同一人物が業務用と家庭用の両方で体組成を計測しても大きな違いがないかどうかを検査しているので、「家庭用では正確な数値がでない」ということはないですよ。

また家庭用の商品でも、乗るだけでなく手にグリップを持ってはかる8電極タイプなどの上位機種は、業務用と同じくらい細かくからだの状態を知ることができます


Q3 「体組成計」を選ぶときはなにを基準に選ぶといい?

A.ダイエット、鍛えたい、音声付きがいいなど目的に合わせて必要なスペックをチェックしてみてください

すべての方に当てはまる一律の基準はなく、ご自身に合った機能を備えた体組成計を選ぶのが重要なポイントだと思います。

例えばダイエット中の方なら、目量(最小表示)が50gで体重の変化をより細やかにはかれるものがいいでしょう。
筋力トレーニングに励んでいる方なら、体組成の状態をからだの部位別にチェックできたり、筋肉の質まで計測できたりするものを選べば、より効果的に鍛えられるはず。
高齢で表示が見えにくいなら、計測された数値を音声で自動的に読み上げてくれるものが便利です。

体組成計と一口にいってもさまざまな機種があるので、ご自身の目的に合った機能を持つ商品を探してみてください。

体組成計の選び方はこちらをcheck ≫


Q4 価格が高い「体組成計」ほど、高い技術が搭載されている?

A. 価格が高いほど「はかれる項目」が多くなります

価格によって計測精度が変わることはありませんが、価格が高い機種ほどより多くの項目を計測できるようになります。

例えば、上位機種になると、体脂肪率だけでなく「内臓脂肪レベル」の判定ができたり、タニタ独自の指標である「筋質点数(筋線維の密度などをはかり、筋肉の状態を数値化したもの)」を計測できたりします。健康づくりのために役立つさまざまな情報を知ることができます。

とはいえ、体組成計を使ったことがない方の多くは、エントリーモデルを選んでも「こんなにたくさんの情報が得られるの!?」と驚かれるもの。「高額なほうがいい」ではなく「値段に関係なく今の自分の目的に合うものがベスト」と認識してもらうのがよいと思います。


Q5 計測結果が日によってバラつくことがあるのはどうして?

A. 時間や体温によって計測結果にはズレが生じるので、できるだけ、同じ時間、同じ条件ではかるのがおすすめです

私たちのからだは、時間帯や行動によってその状態が変わるもの。これを「日内変動」といいます。

具体的には、起床から時間が経つほど重力の影響を受けて水分は下半身に下がっていきます。特に女性に多く見られる「足がむくむ」という状態ですね。
また、入浴や運動をした後は体温が上昇します。このようなからだの変化によって電気の流れ方などが微妙に影響を受け、体組成の計測結果にズレが生じることがあるのです。

できるだけ正しい値を知るためには、入浴や運動後を避けて、毎日同じ時間帯に同じ条件ではかるように心がけてみてください。


Q6 開発者ならではの「体組成計」の使いこなしテクニックはある?

A. 食べ過ぎた・飲み過ぎた日の翌日こそ乗ってみてください

たくさんごはんやお酒を楽しんだ翌日は、ほとんどの場合体重が増えてしまうものです。「数字を見たくない」という気持ちもとてもよくわかりますが、そんなタイミングにこそ現実から目をそらさずに、勇気を出して体組成計に乗ってみてください。

数字をきちんと把握するだけで、健康維持への意識は確実に変わります。「昨日は食べ過ぎた分、体重が●●g増えていたから、今日の食事は控えめにしておこう」「体重が●●g増えた分、仕事後はひと駅分歩いて帰ろう」などといった行動を起こすきっかけになるでしょう。

実は私たちタニタの社員も、会社で取り組んでいる健康経営の一環として、定期的に体組成計測を行うルールになっています。実際の数字を見ると、やはり心もちが変わるのを実感します。みなさんもぜひ、からだについて正しく把握する習慣をつけてみてくださいね。

  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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