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食事

「朝みそ汁」で熱中症予防!

2025.07.24

手に味噌汁を持っているイメージ画像

すでに夏本番!連日厳しい暑さが続いていますね。消防庁が2024(令和6)年10月に発表した「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」によると、昨年の救急搬送人員は97,578人で、2008年の調査開始以降、過去最多となりました。 熱中症は気温や湿度が高い日のみならず、急に暑くなった時にも発症するリスクが高まるため、暑くなる前から注意が必要です。そこで、熱中症予防におすすめの「朝みそ汁」について紹介します。

プロフィール

タニタ栄養研究所 株式会社タニタ ブランディング推進部広報課 甲阪 絢佳

2014年入社。家庭用商品の営業担当を経て、タニタ食堂及びタニタカフェの店舗開発、企業や自治体で行う健康セミナーやコラム執筆等に携わる。現在は広報活動ならびに、異業種企業とのコラボ商品の開発等を行っている。

株式会社タニタ 栄養研究所 管理栄養士

タニタ栄養研究所は、株式会社タニタやグループ会社の株式会社タニタ食堂、株式会社タニタフィッツミーに在籍する管理栄養士や栄養士などで構成する「食」と「栄養」の専門機関です。研究開発や食・運動のサービス提供で培ったノウハウを生かし、健康づくりやからだづくりに関するさまざまな情報を発信しています。

この他に、健康的なレシピの考案、サッカーチームや女子野球チームなどプロアスリートの栄養サポートにも取り組んでいます。


なぜ「朝みそ汁」?「朝みそ汁」が熱中症予防に役立つ3つの理由

私たちは「朝」に一日の始まりを迎えますが、実はこの時から熱中症のリスクが潜んでいます。睡眠中に失われた水分やミネラルが不足したまま活動すると、脱水状態になりやすく、体温調節機能が十分に働かないことがあるからです。だからこそ、朝の過ごし方は熱中症予防の重要なポイント。

そこでおすすめしたいのが朝食にみそ汁を取ること。朝の一杯のみそ汁は私たちのからだに嬉しい効果をもたらしてくれます。

味噌汁を手に持ち和食を食べているイメージ画像

1.水分補給

水分補給というとまず飲み物を思い浮かべる人が多いですが、食事からも水分を取れます。睡眠中は呼吸や発汗などにより、体内の水分が失われます。起床後にのどの渇きを感じる場合は、就寝前の水分補給が不足していた可能性があります。

2.ミネラル補給

みそには適度な塩分が含まれており、睡眠中の発汗によって失われた塩分を補給できます(ただし高血圧などで塩分摂取を制限している人は注意が必要です)。

また、みそはカリウムやマグネシウムなども含んでおり、これらのミネラルは体液のバランスを保つために重要です。体液のバランスが崩れると、体温調節機能が低下して体内に熱がこもりやすくなるため、熱中症を引き起こす可能性があります。

塩分(ナトリウム)以外にもさまざまなミネラルを一度に摂取できるみそ汁は熱中症予防におすすめです。

3.食欲増進

温かいみそ汁は、胃腸を温めて消化機能を助けてくれます。しっかりと朝食を取ることで、体温を適切に保ち、暑さに対する抵抗力を高めることができます。

食欲が落ちがちな夏場でも、汁物なら無理なく口にしやすいもの。みそ汁の香りには食欲を増進させる効果があり、熱中症予防とともに夏バテ対策にも役立ちます


朝食と熱中症リスク「欠食」による意外な落とし穴

体脂肪率が高い人は熱中症になるリスクが高まるといわれています。体脂肪は熱を閉じ込める性質があり、体内に熱がこもりやすくなるからです。

体脂肪率が高くなる要因のひとつに「朝食の欠食」が挙げられます。空腹状態が長く続くと、からだは「飢餓状態にある」と認識します。その後食事が再開されると、からだは次の飢えに備えるため効率的に脂肪を蓄えようとします。加えて空腹をしのぐために間食が増えることも考えられ、結果として体脂肪率が高くなりやすいのです。

 

また、欠食でエネルギーが足りなくなると、からだは筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。水分は筋肉に多く蓄えており、筋肉量が減ると熱中症のリスクが高まる要因になります

20253月に農林水産省が発表した「食育に関する意識調査」によると、5人に1人が毎日朝食を取っていません。ダイエットや時間がないといった理由で普段から朝食を抜いている人は、より一層注意が必要です。


旬の食材を使った”具だくさん”みそ汁なら、水分と栄養素も同時に摂取できる!

野菜には、余分な塩分を排出するカリウムが豊富に含まれているので、野菜を多めに入れて作るのがおすすめです。じゃがいもやさつまいもなどのいも類、豆腐や卵、油揚げなどのたんぱく質源を加えると、エネルギーもしっかり取れるみそ汁が作れます。


また旬の食材は、味が濃くおいしい上に、低価格で手に入るだけでなく、その季節に起こりやすいからだの不調を整える働きもあります。食材を選ぶ時の参考にしてみてください。
 


夏におすすめ!みそ汁レシピ

冷蔵庫にある食材に代替OK。食欲が湧かないときには、柚子こしょうや唐辛子などの香辛料を足したり、冷やして飲んだりするのもおすすめ!

タニタレシピ:具だくさんみそ汁

一品でたくさん野菜を食べておいしく減塩したい方におすすめです。


【栄養ポイント】具だくさんで食べごたえ抜群!しょうがはからだを温め、食欲増進にも◎

具だくさんみそ汁の画像

<材料(2~3人分)>
・なす 1本
・にんじん 1/5本
・玉ねぎ 1/4個
・油揚げ 1枚
・しょうが 少々
・油 少々
・だし汁 300ml
・みそ 小さじ2
<作り方>
1.    なすはヘタを取って乱切りにし、水にさらす。 にんじんはいちょう切り、玉ねぎは薄切りにする。しょうがをすりおろす。
2.    油揚げに熱湯をかけ、油抜きをする。水気を切って、短冊切りにする。
3.    鍋に油をひき、温まったら水気を切ったなすを炒める。なすに油が回ったらにんじんを炒める。
4.    3にだし汁と玉ねぎ、油揚げを入れて煮立たせる。
5.    4にみそを溶き入れ、すりおろししょうがを加える

 

マルコメレシピ:アスパラガスと卵のみそ汁

だし汁不要! より簡単にみそ汁を作りたい方におすすめです。


【栄養ポイント】アスパラガスはパワーをつけ、利尿作用もあるので、むくみやすい時期にオススメです。

アスパラガスと卵の味噌汁の画像

<材料(2~3人分)>
・アスパラガス 4本
・卵 1個
・つぶみそ 大さじ2~2と1/2
<作り方>
1.    アスパラガスは根元を4センチ切り落とす。下1/3をピーラーで皮を剥き、ななめ1センチ幅に切る。卵は溶いておく。
2.    鍋に水600mlを沸かし、アスパラガスを加えて中火で1分半ゆでる。強めの中火で沸かし、溶き卵を少しずつ加える。粒みそを溶かし、味を調える
 

▲「タニタ食堂の減塩みそ」を製造・販売している、みそ・糀の専門家「マルコメ株式会社」よりレシピを提供いただきました。



参考文献:
熱中症予防情報サイト,環境省,
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php
 

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  • 本コラムは2025年6月にTANITA News Letterとして発信した記事を一部編集し再掲したものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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