タニタの考える健康

タニタ式に回答! ダイエットの素朴な疑問

2022.07.26

タニタが推奨するのは、健康をつくるダイエット。体重を減らすだけにとらわれず、正しい知識をもって、無理なく体脂肪を減らしていくことをおすすめしています。 今回は、体組成計の開発担当である宮下が、ダイエットの素朴な疑問にお答えします。ぜひ健やかなからだづくりにお役立てください。

回答者プロフィール

株式会社タニタ 開発部 生体科学課 宮下 真理子

2004年入社。バイオセンサーを活用した尿糖計の認知活動に従事。糖尿病関係の研究に取り組み、論文執筆や学会発表を担当する。その後、体組成計や活動量計などの家庭向け商品の企画に携わり、2022年4月からは体組成計の基礎技術の開発にあたっている。


Q1 食事制限をがんばれば、1週間で5キロ脂肪を落とせる?

A. そのダイエットでは多くの筋肉を失ってしまうかも。

大切なイベントの前や人間ドックの受診前などに、「急いで体重を落としたい!」と極端な食事制限をした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。気持ちはとてもよくわかりますが、おすすめはできません。

 

たしかに摂取カロリーを抑えれば、短期間でも体重は減ります。しかし、急激な減量で主に減少するのは水分です。そして、からだを動かさず食事制限だけに頼ったダイエットを続けると、ゆくゆくは筋肉量の減少につながってしまいます。

ダイエット=体重を落とすこと、と考えている方も多いかもしれないのですが、タニタが考える「痩せる」の定義は、余分な体脂肪を落としてバランスのよいからだにすること。そのためには、適切な範囲で食事をコントロールし、運動で筋肉をしっかりと維持していく必要があります。


Q2 「部分痩せ」ってできるもの?

A. 特定のパーツを“スッキリと見せる”ことは可能です。

特定の部位だけの脂肪を落とすことは、残念ながらできません。しかし、筋トレによって筋肉周辺の脂肪をつり上げ、引き締まった印象に見せることはできます。脂肪を「減らす」のではなく、「見え方を変える」のです。脂肪を落とすには時間が必要ですが、集中的に筋トレをすれば、短期間で印象を変えられますよ。


Q3 ダイエットするほど太りやすくなるって本当?

A. 半分本当です。でも、太りやすくならない方法もあります!

ダイエットの基本は、「消費カロリー>摂取カロリー」となる生活を続けること。そして、私たちが一日に消費するカロリーの約6割を占めるのが基礎代謝です。基礎代謝量は筋肉の量と比例するため、ダイエットを成功させるには、筋力トレーニングを通して筋肉量を維持、または増やすことがポイントになります。(有酸素運動だけでは基礎代謝は変わりません)

 

一方、摂取カロリーが不足すると、私たちのからだは筋肉を分解してエネルギーをつくろうとします。そうして筋肉が減少すると、これに比例して基礎代謝量も低下。運動量を増やさず食事によるカロリー制限を続けると、どんどん基礎代謝が落ちてしまうのです。

 

その結果、基礎代謝の低い“痩せにくく太りやすいからだ”になり、ダイエットを繰り返すほどその傾向が高まります。一度低下した基礎代謝量を上げるのは難しいもの。ダイエットする際は、適切な食事のコントロールと運動の両方に取り組むようにしてください。


Q4 内臓脂肪より皮下脂肪の方が落としにくいって本当?

A. 本当です。内臓脂肪は食生活を見直すだけでも変わりますよ。

内臓脂肪は文字どおり内臓周辺につく脂肪で、「つきやすく落としやすい」という特徴があり、一般的に男性の方がつきやすい傾向にあります。一方の皮下脂肪には、内臓脂肪に比べて「つきにくく、落としにくい」性質があります。こちらは女性の方がつきやすいですね。

 

内臓脂肪を落とすには、20分以上の有酸素運動で脂質を代謝させると効果的。食事は脂質とアルコールの摂取を控えましょう。

皮下脂肪を減らすには、消費エネルギーが摂取カロリーを上回る生活を心がけてください。運動は、筋トレと有酸素運動を組み合わせると効果的です。ただし、女性は皮下脂肪を減らしすぎると、月経周期の乱れなどの不調を招くことも。健康に支障のない目標を設定する必要があります。

Q5 誰でも体脂肪率一桁の彫刻みたいなからだになれる?

A. かなりがんばる必要はありますが、なれると思います。

相当な努力が必要ですが、からだが健康な状態であれば決して不可能ではありません。 まず必要なのは、筋トレと十分なたんぱく質の摂取により筋肉量を増やすこと。その後、最低限の筋トレは続けつつ有酸素運動メインに切り替えて、皮下脂肪を削ぎ落としていきます。

 

筋肉量の増加を確認するには、体組成計で筋肉量をチェックするのがおすすめです。 また、女性は男性よりも筋肉がつきにくい傾向にあります。そのためまずは筋肉と脂肪がバランスよくついているからだを目指してみてはいかがでしょうか。

Q6 健康的に痩せるための「タニタ式・王道ダイエット」を教えて!

A. “はかる”ダイエットがおすすめです。

タニタでは、次の5つのポイントを押さえたダイエットを推奨しています。
ぜひ私たちと一緒に、健康をつくっていきましょう。

POINT1 はかる

体重だけでなく、体脂肪率や筋肉量などさまざまな観点でご自身のからだをはかって理解することは、健康づくりの第一歩です。

ダイエットという視点で私が特におすすめしているのは、筋質点数の計測。筋肉量の数値と比べて変化が現れやすく、筋トレの成果を実感できるので、モチベーション維持にも効果的です。

また“脂肪を燃やしやすいからだになってきているか”の目安として、基礎代謝量の変化や基礎代謝量判定(少ない/ふつう/多い)も併せてチェックしてみてください。

POINT2 記録する

日々のからだの変化に気づくために、記録は欠かせません。アプリと連携する体組成計なら、負担なく続けられます。

POINT3 食事と運動を組み合わせて、ポジティブに!

食事制限のみでは筋肉量も大きく落ちてしまいますが、運動を組み合わせることで筋肉量を維持したまま減量に取り組めます。

また、ダイエットに運動を取り入れることによって、高揚感、達成感をもたらすドーパミン、心を安定させる効果をもつセロトニンも分泌されるので、 メンタル的にもよい状態をつくり、ポジティブにダイエットを続けることができます。

POINT4 時間をかける

短期間の無理なダイエットはリバウンド、ひいては痩せにくいからだにつながるだけでなく、体調を崩しやすく免疫力低下を招いてしまうこともあります。一過性のダイエットではなく、習慣化できる取り組みにしましょう。

POINT5 睡眠をしっかりとる

睡眠不足は食欲増進ホルモン(グレリン)を増やし、食欲抑制ホルモン(レプチン)を減らすことがわかっています。健やかなからだのために、睡眠は十分にとりましょう。

  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

この記事はタメになりましたか?

SHARE

人気記事ランキング

RANKING

人気記事ランキング

RANKING

CONNECT つながる