食事

腸内環境を整えよう

2023.10.25

皆さんの腸内環境は整っていますか?腸内環境の乱れは、健康を損なう原因になってしまいます。今回は食事の面から、腸内環境を整える方法をご紹介します。

プロフィール

株式会社タニタ 管理栄養士 甲阪 絢佳
2014年に入社し、家庭用商品の営業担当を経て、タニタ食堂及びタニタカフェの店舗開発、企業や自治体で行う健康セミナーや健康コラムの執筆等に関わってきた。現在は、異業種企業とのコラボレーション商品の開発等に携わっている。

理想的な腸内細菌のバランスは「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」

腸内には、約1,000種類の細菌が100兆個生息しています。腸内細菌は働きによって、以下の3つに分けられます。

  • 善玉菌:乳酸や酢酸などを生成し、腸内を酸性に保つ。腸内を酸性にすることで腸の運動を活発にして、感染予防や腐敗産物の産生を抑制する環境を作る。
  • 悪玉菌:アンモニアなど毒性物質を作り出す。肉類などのたんぱく質を分解し、便として排泄処理する働きもある。
  • 日和見菌:善玉菌と悪玉菌のうち、優勢な菌と同じ働きをする。

私たちの腸内は、生活習慣やストレスなどの影響を受けて、善玉菌と悪玉菌のバランスが日々変化しています。それぞれの腸内細菌の働きを見て分かる通り、腸内環境を整えるには、悪玉菌よりも善玉菌が多い状態を保つことが大切です。

食事から腸内の善玉菌を増やす方法

善玉菌を増やす方法は、大きく二つあります。


一つ目は、生きた善玉菌「プロバイオティクス」を摂取すること。

ビフィズス菌や乳酸菌を含む食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、漬物など)に多く存在します。

プロバイオティクスは、ある程度の期間腸内に存在しても、住み着くことはないといわれています。そのため、毎日続けて摂取することがおすすめです。


二つ目は、腸内に存在する善玉菌を増やす「プレバイオティクス」を摂取すること。

オリゴ糖や食物繊維を含む食品(野菜類、果物類、豆類など)に多く存在します。

プレバイオティクスは、善玉菌の餌となることで、善玉菌の数を増やすことに役立ちます。またオリゴ糖は、特定保健用食品などの市販品を活用することもおすすめです。ただ、オリゴ糖を急に摂取すると、下痢や腹部膨満感などを引き起こす可能性があるため、少量ずつ摂取しましょう。

 

そして、腸内環境を知る簡単な方法は、便を観察することです。黄色~黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、やわらかいバナナ状が理想的と言われています。

一方で、黒っぽく悪臭がある場合は、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。

からだからの便りをしっかりチェックして、腸内環境のバランスを整えましょう。

 

また食事だけでなく、適度な運動や睡眠、休養を取ることによって、腸内環境を整えることに役立ちます。生活の中に取り入れやすいものから、実践してみてはいかがでしょうか。
 

参考文献:

「腸内細菌と健康」,厚生労働省e-ヘルスネット,2019年
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

「健康長寿ネット」,公益財団法人長寿科学振興財団

https://www.tyojyu.or.jp/net/

「日本人の食事摂取基準2020年版」,厚生労働省,2019年
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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