大阪万博 リボーン体験のイメージ

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【タニタが技術協力】2025 大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン

2025.05.21

大阪万博 リボーン体験のイメージ

世界中から注目を集されている、現在開催中の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。その開催地・大阪府や大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」の中核となるプログラムには、タニタの体組成計測技術が使われています。 本記事では、技術協力の経緯や完成までの裏側、注目してほしいポイントなどをご紹介。タニタがこめた想いをお伝えします。

プロフィール

プロフィール画像

株式会社タニタ 量産設計部 部長 西林 賢二
1998年入社。約10年にわたって開発部で活躍し、2009年には一般市場向けの活動量計のさきがけとなった「カロリズム AM-120」のソフト設計を担当。現在は新商品の量産化を担う部門の管理を行う。大阪ヘルスケアパビリオンへの技術提供プロジェクトでは、全体統括(責任者)を担当。

株式会社タニタ 量産設計部 課長 熊谷 昌彦
2002年入社。1年間の製造部門での勤務を経て、現在の秋田工場技術部へ異動。おもに家庭用製品の筐体設計を担当し、現在は量産設計部で管理業務に従事している。本プロジェクトでは、ハード面の設計を担当。

株式会社タニタ秋田 技術部 佐藤 成史
2004年入社。約4年間にわたって業務用体重計の製造現場で組立業務を担当した後、現在の秋田工場技術部へ異動。回路設計やソフト設計に従事し、現在は技術部のメンバー育成、新商品プロジェクトの管理業務を担う。本プロジェクトでは、ソフト面の設計を担当。

株式会社タニタ秋田 技術部 髙橋 朋誠
2017年入社。秋田工場技術部でおもにソフト設計に従事。家庭用、ベビー用、業務用、キッチン用商品や医療器など、さまざまなカテゴリーの商品のソフト設計を経験してきた。最本プロジェクトでは、ソフト面の設計を担当。


「大阪ヘルスケアパビリオン」とは?

――まずは、「大阪ヘルスケアパビリオン」について教えてください。

「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」は、「REBORN(生まれ変わり)」をテーマに、「いのち」「健康」「ミライの都市生活」などに関する情報を発信する展示です。

そのなかでも中核となるのが、「リボーン体験」。タニタが技術協力した「カラダ測定ポッド」で健康データを測定し、それを基に生成された「25年後の自分の姿」を見られるコンテンツです。
現在、そして未来のからだの状態をわかりやすく提示することで、来場者の方々の健康づくりに向けたアクションを促します。


「カラダ測定ポッド」に手で体組成をはかる技術を提供

――タニタが技術協力をすることになったきっかけを教えてください。

きっかけは大阪パビリオン推進委員会からご相談をいただいたことでした。「未来の測定体験、健康づくり体験ができるパビリオンをつくりたい」という展望を伺い、当社の技術についてご紹介したところ、「ぜひ技術協力をしてほしい」と要請があったんです。


――具体的に、どのような技術を提供したのですか?

「手で体組成をはかる技術」を提供いたしました。
これはプロフェッショナル向けの体組成計「DC-13C」に搭載している技術で、左右の手で握るグリップ式の電極から微弱な電流をからだに流すことで、体組成をはかります。

足から電流を流すタイプの場合、靴や靴下を脱がなければならず、測定には一定のハードルがありました。しかし「DC-13C」なら靴を履いたままでも利用できるため、例えばイベント会場に設置しても、スムーズにはかっていただけます。
さらに、足に何らかの障がいがあり立位保持ができない方にも利用できます。「手で体組成をはかる技術」は、いつでもどこでも、すべての方が気軽に「からだをはかる」ができるようにと開発した技術なんです。

DC-13Cで体組成をはかっている男性

――「DC-13C」開発にあたっての苦労や工夫があれば教えてください。

「DC-13C」の開発にあたっては、筐体に乗って体重をはかる際にグリップの重さが加算されないよう、ユーザーに「グリップをもたないこと」をきちんとアナウンスする必要がありました。
そこで、体重測定前にグリップをもっていないかを監視するプログラムを搭載。グリップをもっていた場合は放すように通知する仕組みになっています。

小さな工夫ではありますが、すべてのユーザーにご自身のからだのことを正しく知ってほしいというタニタのこだわりがつまっています。


すべての来場者に精度の高いデータを提供できるようカスタマイズ

――「カラダ測定ポッド」への技術協力にあたり、どんなカスタマイズをしましたか?

具体的には、電極の形状を変更しました。
手で「握る」グリップ式から、手を「タッチする」板状に変えています。また、足元の体重をはかる部分のカバーも、完全なフラットにしました。

さらに、来場者や実際の測定シーンを細かにシミュレーションしたうえで、ソフト面を改良。来場者の体格や体型、身につけているものはそれぞれ異なりますが、どなたでも正しく測定できることを目指しました。

カラダ測定ポッドで手を電極にあてている女性

――今回の技術協力で苦労したことを教えてください。

「カラダ測定ポッド」では、体組成だけでなく、髪や肌の状態など多様な項目のデータを集めます。そのため、ポッドには体組成計以外の他社のセンサーも組み込まれており、体重計や電極はそれらと「同時に」測定できるように調整しなければなりませんでした。

また同様の理由から、測定の流れも通常の体組成計とは異なり、体重と体組成は同時にはかれません。利用者のみなさんに正しく利用していただくためにはどんな案内が必要かを模索する必要もありました。

ポッドの機能全体を考慮しつつ、なるべく時間をかけず、かつ正しくはかれるように調整する……これが難しい課題でした。


――簡単にはかれることと測定の精度を両立するのは大変だったのでは?

タニタは、測定データの「精度」に強いこだわりをもっています。
今回の技術協力でも、「カラダ測定ポッド」仕様にカスタマイズしつつも、自社商品に近いレベルの精度を目指したいと考えていました。
そのため、精度に影響を与える電極間の距離や、利用者の目には触れないケーブルの長さなどについて、大阪パビリオン推進委員会側に細かく要望を出させていただきました。

また、手でタッチする電極は、手のひらと指の関節がしっかりとセンサーにあたるような形状に調整。
そのほか、測定時に肘が曲がるとうまくはかれない可能性があるので、しっかり腕を伸ばすようディスプレイにメッセージを表示するなどの工夫も依頼し、実現していただいています。

カラダ測定ポッドで測定しているイメージ

未来の自分を描き変えるためのリボーン体験

――「カラダ測定ポッド」体験を通じて注目してほしいことを教えてください。

10年、20年後のからだは、現在の行動と選択がつくっていくものです。で
も、「未来のために健康を意識しましょう」といわれても、それだけで健康づくりへの第一歩を踏み出せる方は多くないとも思います。

「健康へのタッチポイント」をつくりたいという想いで弊社が日頃から取り組んでいるのがアニメやゲームなどとのコラボ企画。今回の「カラダ測定ポッド」も、「健康へのタッチポイント」のひとつと捉えています。
「25年後の自分に会える」といわれたら、興味がわいてくるのではないでしょうか? 自身の今、そして未来を見ることで、きっと健康意識が向上するのでは? そうなってほしいな、という願いがあります。

だからまずは「カラダ測定ポッド」で、今のからだのことを知っていただけたらうれしいですね。とくに日頃はあまり体組成計に乗っていない方、健康意識があまり高くないと自覚している方にこそ、このコンテンツを楽しんでほしいです。
今の自分がワクワクする未来につながっていくよう、まずははかることから始めてみてください。


2025 大阪・関西万博での経験を「タニタの健康づくり」の進化につなげたい

――今回のプロジェクト参加にあたっての想いを聞かせてください。

「カラダ測定ポッド」への技術協力プロジェクトには、万博に対して幼い頃から憧れを抱いているメンバーや、大阪出身のメンバーも参加しました。全員が、世界的なイベントにタニタの技術が使われることを誇りに思っています。

正直なところ、通常の業務と並行してプロジェクトを進行するのは簡単なことではありませんでしたが、その壁を乗り越えられたのは、メンバーの熱い想いがあったからです。
ぜひ多くの方に、大阪ヘルスケアパビリオンでタニタの技術を体感していただけたらうれしいです。


――ワクワクする未来へ向け、タニタが目指したいと考えていることを教えてください。

今回の技術協力で、電極を「握る」から「手でタッチする」形にカスタマイズした経験を生かし、今後も「はかる」の幅をもっと柔軟に広げていきたいと考えています。
また、「25年後の自分の姿」というユニークなアイデアに触れ、「新しい健康指標」の開発にもさらに力を入れて取り組んでいきたいという想いがより強くなりました。

ワクワクする未来へ向け、タニタの健康づくりはますます進化していくので、ぜひご期待ください!

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