PRODUCT STORY
2025.06.04
タニタは、脚の筋肉量を点数化した指標「脚点」をスマホアプリで管理できる通信機能を搭載した家庭用体組成計BC-774Lを、2025年2月に発売しました。 実はタニタでは、20年以上前から高齢者を対象とした指標として「脚点」の研究・開発に取り組んできました。今回、発売したBC-774Lは、高齢者に限らず幅広い世代が「脚点」を活用し脚の筋肉量を増やす、健康習慣に役立ててもらおうとアップデートしたものです。 そこで「脚点」の開発担当者とBC-774Lの商品企画担当者に、開発秘話や「脚点」の活用方法を聞きました。
INDEX
株式会社タニタ 開発部 深山 知子
1998年に入社。からだの部位ごとの脂肪や筋肉をはかれる8電極体組成計の開発を担当。その後、子どもと女性を中心とした研究に従事。近年は脚の運動機能の状態をはかる機器の開発を行うなど、フレイルをはじめ高齢者を対象とした研究開発に取り組んでいる。
株式会社タニタ 開発部生体科学課 梅木 舜一
2023年に入社。大学・大学院では生理学を専攻し、心拍変動など生体のゆらぎに関する研究を実施。タニタへ入社後は生体データに関する実験や解析に携わっている。
株式会社タニタ 新商品推進部 H.K
1997年に入社。開発部・法務知財部など社内の様々な部署を経て、現在は新商品推進部で部署方針や商品検討に従事。販売計画の立案など企画業務にも取り組んでいる。
株式会社タニタ 新商品推進部 N.I
1998年に入社。国内営業部に長年在籍し、営業活動を担当。2021年に部署異動をし、新商品推進部で新商品やリニューアル商品に携わっており、BC-774Lの企画作業を担当。
―――「脚点」という名前の由来を教えてください。
深山:
2003年頃、「脚部の筋肉量に注目してほしい」という考えから、「脚点(脚部筋肉量点数)」という指標を搭載した商品を発売しました。「脚点」は、脚の太さや細さといった外見ではなく、加齢に伴う筋肉量の減少を防ぎ、転倒や寝たきりにならないための十分な筋肉を付けることを目的として高齢者向けに開発された指標です。
今回発売されたBC-774Lは、より多くの年代で使用してもらえるよう「脚点」をリニューアルし、健康習慣に役立つアプリ連携機能も搭載したモデルです。
―――満点の基準など、指標づくりで苦労したことを教えてください。
深山:
2003年の商品化の背景にあったのは、高齢者に「高齢になると脚の筋肉量が減少することに気づいて欲しい」という想いでした。当時、数年間にわたって多くの高齢者を測定して、加齢とともに脚の筋肉量が低下することが実証されました。タニタでは20年以上も前から、加齢による脚の筋肉量減少に危機感を持っていたと聞いています。
ただ商品化する際に、「筋肉量をそのまま表示して伝わるのか」「点数化する場合、何と比べるのか」「満点の基準はどこか」など検討しなければならないことが多く、「脚点」という新たな指標づくりには非常に苦労していました。
例えば、同年代と比べて少しだけ筋肉量が少ないとなれば、「まだ大丈夫かな」と安心してしまう人も多いでしょう。あるいは、若い人と比べて少なければ、「年齢が離れているから仕方がない」という言い訳も通ってしまうでしょう。しかしタニタは、「加齢による筋肉量減少」に気付いて、危機感を持って欲しいという気持ちが強かったのです。
そこで、「脚点」の満点を筋肉量がピークとなる20代に設定。点数は50~150の間で表示され、90~150点が「良い」、80~89点が「やや低い」、50~79点が「低い」の3段階で判定することにしました。脚の筋肉が体重に対してどれくらいあると理想的かを示す値を「脚点」の点数としました。
中高年でも健康や体力に自信がある人は多いと思いますが、20代と比べれば脚の筋肉量は減少傾向にむかっています。その事実を自覚し、転倒や寝たきりにならないためにも「筋肉量を増やさなければ!」という気持ちになっていただきたかったのです。
―――「脚点」が「低い」という判定だった場合、具体的にどうすればよいのでしょうか?
梅木:
「脚点」が「低い」状態は、パターンとして2つあります。それは「体重・体脂肪と比較して筋肉量が少な過ぎる」か、あるいは「筋肉量と比較して体重・体脂肪が多すぎる」かです。
前者は、「BMI」や「体脂肪率」が標準以下の方が当てはまります。この場合、「脚点」を上げるためには、「脚の筋肉量を増やすこと」が必要です。
日常生活の中でウォーキングやスクワット、階段昇降など簡単にできる運動をしたり、筋トレをしたりすることや、食事でたんぱく質を多く摂るようにして脚の筋肉量を増やしていくことが効果的です。
後者は、「BMI」や「体脂肪率」が高い方が当てはまります。この場合は、「体脂肪を減らして体重を減らすこと」が必要です。食事を見直しながら体重を落としていくと良いでしょう。
いずれも体組成計で表示される項目なので、「脚点」をあわせてチェックし、ご自身がどのタイプなのかをチェックしてみてください。
―――点数で一喜一憂しないために心がけることはありますか?
梅木:
「脚点」は、体重のように日々増減するものではありませんし、急に変わるものでもありません。ですから、1週間に1度、あるいは2週間に1度のペースで定期的に確認すれば良いでしょう。良い点数がキープされていればそれで良いし、点数が下がっているようであれば、それまでの生活習慣を見直して、運動不足や暴飲暴食など何が原因だったのかを振り返ってみましょう。
「脚点」の確認は小テストのような感じで、日々の生活の振り返りとして活用できます。これを繰り返すことで、少しずつ健康や運動への意識改革につながります。シニア世代や中高年の方には筋肉量減少の予防に役立てられればと思います。
―――アプリを活用するメリットを教えてください。
N.I:
脚点をはかれる体組成計は、BC-771/772・BC-774Lがあります。2025年2月に発売されたBC-774Lは、アプリ「TAINTA Record」と「Health Planet」と連携できます。「脚点」はもちろん、体組成計で表示される体重や体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量、体内年齢、基礎代謝量、BMIなどすべてが記録できます。
長期間の数値データをグラフ表示することもできるので、変化を確認しやすく、健康へのモチベーションアップのきっかけにもなると期待しています。
ぜひ定期的に「脚点」を測り、アプリで確認しながら日々の生活を振り返って、健康習慣づくりにつなげていっていただきたいです。
―――BC-771/772/774L の購入を検討している方にメッセージをお願いします。
H.K:
加齢による筋肉量の減少幅は、腕と比べると脚の方が大きいことがデータで明らかになっています。重い物が持てなくなった、腕が細くなったなどの現実以上に、脚の筋肉はもっと減少していることになるのです。
また、現代社会でよく耳にする「フレイル」「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」は、すべて筋肉量に深く関係しています。転倒したり、転倒によって寝たきりになるリスクも高まります。それを防ぐためにも、「脚点」を知ってほしいのです。
脚の筋肉量を増やして自分の脚で歩くことができる期間をなるべく長くするために、まずは現状を知ることから一歩踏み出していただければと思います。
▲出典:筑波大学 山田 実 教授,加齢による”腕"と"脚”の筋量の変化,「脚点」がはかれる体組成計 特設ページ
深山:
老化は脚から始まります。高齢者に限らず中高年、筋肉量がピークの20代の人でさえ確実に老化していくので、脚の筋肉量が減るという気づきを得て、増やす努力をして欲しいです。
その努力をサポートするパートナーとして「脚点」という指標を活用してみてください。
人生100年時代。健康で過ごすためには脚の筋肉量をしっかり保つことが必須であり大切です。「脚点」を参考にして、健康寿命を延ばしていきましょう。
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