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2025.10.23

丸の内タニタ食堂の後継店となる「タニタ食堂本店」が、2025年10月23日、豊島区役所階下にオープンします。単なる移転ではなく、豊島区と連携しながら、新たなスタイルで地域に根ざした健康づくりを目指しています。そこで今回は、新店舗ならではの特別なメニューやサービスの魅力、込められた想いについて、担当者へのインタビューをもとにご紹介します。
INDEX

株式会社 タニタ食堂 代表取締役社長 上木 知規
2015年に株式会社タニタ食堂の代表取締役就任。2023年より親会社の株式会社タニタ執行役員を兼務し、食を軸とした事業展開を通じてタニタグループ全体の価値向上に貢献している。

株式会社 タニタ食堂 商品本部 栄養士 藍原 愛
メニュー開発や店舗の衛生・栄養管理を担当。本店では「大きなお椀で食べるタニタ食堂の具だくさんスープ御膳(スープ御膳)」や「おだしうどんセット」など新メニューの栄養設計から立ち上げ準備まで幅広く携わる。
――まず、タニタ食堂について教えてください。
上木:
タニタ食堂は、タニタ本社の社員食堂の定食を再現した一般の方向けの食堂です。現在では、病院や企業の社員食堂、学生食堂などにもメニューを提供しており、本店を含め全国11カ所※に展開しています。
メニューは、一汁三菜の定食スタイルで提供する「日替わり定食」がメイン。1食あたりおよそ500kcal、塩分量は3g以下に抑えながら、野菜を200g前後しっかり摂取できるバランスの良さが特徴です。
栄養バランスだけでなく、おいしさや満足感の両立を目指し、健康的で満足度の高い食事をコンセプトに提供しています。
※2025年10月23日現在
藍原:
噛みごたえへのこだわりもタニタ食堂ならではの取り組みです。野菜はあえて大きめに切り、加熱しすぎないことで咀嚼回数を増やしています。テーブルに調味料を置かず、食事時間を確認するタイマーを設置。20分間かけてゆっくりと食事をすることで、満腹感を高められるように設計しています。
本店では、食べやすい「スープ御膳」や、豊島区内の製麺所と共同開発した麺を使った「おだしうどんセット」など、幅広い世代に寄り添うメニューをご用意しています。
――「タニタ食堂本店」が豊島区役所と同じ施設に出店した経緯を教えてください。
上木:
2012年1月に「丸の内タニタ食堂」が開業して以降、丸の内エリアで働くビジネスパーソンを中心に、多くの方にご利用いただいておりました。しかし、入居ビルの建て替え工事に伴い、2025年3月をもって13年の歴史に幕を閉じることになりました。新たな出店先を検討していた際に豊島区様からお声がけをいただき、地域住民や区職員の方々に開かれた食堂として、本店をオープンする運びとなりました。
「タニタ食堂本店」の営業時間は11時から14時までとし、それ以外の時間帯は、まずは区職員の方向けのコワーキングスペースとして活用いただく予定です。また、豊島区と連携した住民向けの事業も検討しています。
――どのような思いから実現したのでしょうか?
上木:
これまで病院や学校内への出店はありましたが、自治体という場は私たちにとっても新しい挑戦です。背景には、健康総合企業のグループ会社として「飲食業」の枠を超え、より社会に貢献したいという思いがあります。
実際にタニタでは、社員食堂で培ったノウハウをもとに「タニタ健康プログラム」を地方自治体にも展開し、地域住民の健康づくりや地域の活性化に取り組んできました。
一方豊島区では、高齢化や独居、子どもの居場所づくりといった課題を抱えていました。こういった社会課題に対し、これまでの経験をいかして食の側面からできることがあると考え、出店を決めました。
自治体への出店は、社会課題に対する解決策を具体的に進めるための一歩だと考えています。
――「タニタ食堂本店」では、どのようなメニューを提供しているのでしょうか。
藍原:
中心となるのは「日替わり定食」です。栄養バランスを整えながら、噛みごたえを残した調理で満足感を高め、無理なく健康的な食事を続けられるのが特徴です。
定食にあわせて提供するみそ汁とだしにもこだわりがあります。日本人にとって身近な汁物は、日常に取り入れやすく、食事全体の満足感を高める存在です。今回は、株式会社にんべんと共同開発した「だしパック」を採用。鰹節・いわし煮干し・北海道産昆布の3種類を組み合わせることで、香り高く味わい深い旨みを引き出し、塩分が控えめでもおいしく召し上がれます。
上木:
さらに本店では、加齢による筋肉量の低下やフレイル※など、多くの方に共通する課題への対策を意識した「スープ御膳」を新たに開発し、たんぱく質やカルシウム、エネルギーを効率的に摂取できるよう設計しました。野菜本来の食感を生かしながら、食べやすい大きさや加熱具合に工夫することで無理なく食べられるようにしました。
また、豊島区内にある松本製麺所と共同開発した製造工程で塩を使わない麺を使用した「おだしうどんセット」を、本店限定でご用意しています。無塩でもうどんの食感を保てるよう製造工程を工夫。減塩を実現し、副菜を添えて栄養バランスを整えました。
※フレイルとは?
フレイルとは、「加齢とともに心身が衰えた状態」のことです。身体機能の低下だけでなく、閉じこもりがちになる(社会的)、意欲や認知機能の低下(精神的)など、多面的な要素が含まれるため、その原因は多様です
――メニュー開発にあたって、大切にしたポイントを教えてください。
上木:
地域の方の健康を長期的に支えられる食提案を重視しました。たとえば、タニタ食堂の日替わり定食は1食500kcal前後の「低カロリー」をベースとしていますが、ライフステージや健康状態によってはカロリーを抑えるのではなく、しっかり栄養を取ることを重視した方がいい場合もあります。
地域のさまざまな方の健康に寄り添い「タニタ食堂の食事をもっと気軽に、おいしく楽しめる場所としてアップデートしたい」との思いから、他店とは異なるメニュー展開にも力を入れました。
藍原:
これまでタニタ食堂のメニューは、カロリーコントロールやダイエットを目的としたイメージを持つ方も多かったと思います。ただ、これからのタニタ食堂は、日本人が抱えるより身近な健康課題に寄り添い、幅広い世代に合った食事のかたちをお届けしたいと考えています。その思いを反映させたのが、今回ご用意した新しいメニューです。
――タニタ食堂本店では、体組成測定やカウンセリングも受けられるそうですね。
上木:
タニタの体組成計「MC-980A-N plus」や運動機能分析機器「zaRitz(ザリッツ)」を導入しています。zaRitzは脚の筋力やバランス能力も含めて筋肉の状態を多面的に評価できるのが特徴です。年齢に関わらず、筋肉量が標準的であっても、筋肉の質や筋力が低下しているケースは少なくありません。こうしたデータを把握することで、利用者ごとに適した改善ポイントが明確になります。
藍原:
測定結果は、管理栄養士が参考にしながらカウンセリングに役立てています。たとえば、体脂肪率を下げたい方には「日替わり定食」、筋肉量を増やしたい方にはたんぱく質を多めに設計した「一汁二菜定食」をご提案し、運動のアドバイスも行っています。タニタにとって、食事は健康づくりのソリューションの一つであり、測定と組み合わせることで、自分にあった食事を選ぶ力を養っていただくことができるのではないかと考えています。
――タニタ食堂が今後目指す姿について教えてください。
上木:
今後は地域に根ざした取り組みを広げ、将来的には高齢者施設などにも展開していきたいと考えています。これまでのタニタ食堂には「痩せるために健康的な食事を目指す方向け」という印象をもたれることもあったかもしれません。これからはより幅広い世代に開かれた存在として、日常に取り入れやすい食の提案をしていきたいと考えています。
そのため本店ではカテゴリーを広げ、スープ御膳やうどんなど、多くの方が楽しめるメニューをそろえました。おいしさを楽しみながら健康づくりにつながる場として、進化を続けたいと思います。
藍原:
健康的な食事と言うと「我慢しなければならない」と思われがちですが、タニタ食堂では「おいしく食べる」ことを大切にしています。豊島区の本店をきっかけに、地域に根ざした健康づくりの拠点を全国へ広げていきたいと考えています。まずは、こだわりのだしやみそ汁を楽しんでいただき、その一杯から、気軽に健康づくりをはじめていただければうれしいです。
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