
食事
2026.07.08

夏になるとだるさや頭痛、肩こりなど「なんとなくからだの調子が悪い」と感じる人も少なくないと思います。こうした不調は暑さだけではなく「腸がバテているサイン」かもしれません。暑い夏を元気に過ごすためには、腸内環境を整えることが大切です。

株式会社タニタ 管理栄養士 深澤 瞳
大学院でスポーツ栄養学を専攻。健康に関する仕事がしたいと考え、2021年に入社。
現在は営業職として一般消費者向けに商品の拡販を行っている。
人間の腸内には約1000種類の細菌が100兆個生息しています。腸内細菌はその働きによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類され、生活習慣やストレスなどの影響でそれぞれのバランスは日々変化しています。腸内細菌のバランスが悪くなると自律神経の乱れやセロトニン不足を引き起こしやすくなり、ストレスに対して過剰に反応しやすくなるといわれています。
自律神経が乱れると胃腸への血流が減り、消化・吸収能力が大きく落ちてしまいます。そのためどんなにバランスのよい食事を取っても、胃腸ではそれを消化吸収しきれず、結果的に体内で作られるエネルギーが減ってしまいます。これが、食べているのに力が出ない要因の一つです。
ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品には、乳酸菌や納豆菌といった「生きた菌」がたくさん含まれています。
ヨーグルト、発酵野菜、コンブチャなどさまざまなジャンルの発酵食品を組み合わせて摂取したグループでは、腸内細菌の多様性が豊かになり、体内の炎症マーカーが減少したという研究データがあります。
オクラやモロヘイヤ、めかぶなどの「ネバネバ食材」はのどごしがよく、食欲が湧かない日でも比較的するすると口にしやすいですよね。これらの食材には「水溶性食物繊維」が多く含まれています。
腸内細菌が水溶性食物繊維を分解することで生成される「短鎖脂肪酸」には、腸のバリア機能を高め、体内の炎症を抑える働きがあることが複数の研究で示されています。水溶性食物繊維はネバネバ食材の他、もち麦や海藻類、キウイなどにも多く含まれています。
これらをバランスよく取ることで腸内の善玉菌を増やして育てる他、夏のだるさの原因でもある「体内の炎症」を抑える効果が期待できます。夏はそうめんなど単品料理が増えがちですが、納豆やキムチを添えたり、おにぎりにみそ汁を添えたり、みそ汁の具材にわかめやなめこを追加したりと、いつもの食事にちょい足しをすることでも手軽にこれらの食材を取ることができます。
一方で、取り過ぎるとおなかの調子が悪くなる場合もあります。自分の体調と相談しながら少しずつ無理のない範囲で取り入れ、暑さに負けない健やかなからだをつくりましょう!
参考文献:
・Wastyk, H. C., et al.,Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status,Cell,2021
・Kassem Makki, et al.,The Impact of Dietary Fiber on Gut Microbiota in Host Health and Disease,Cell Host Microbe,2018
・Sonnenburg, E.D. ∙ Sonnenburg, J.L.,Starving our microbial self: the deleterious consequences of a diet deficient in microbiota-accessible carbohydrates,Cell Metab,2014
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