
タニタの考える健康
2026.11.06

「フレイル」は主に高齢者に見られる状態ですが、30-40代から意識することで、長期にわたって予防しやすくなることをご存じでしょうか。フレイルとは縁遠いうちに、少しだけからだの状態や生活習慣と向き合うのは、実はとっても「コスパがいい」のです! 若い方にこそ実践してほしいフレイル対策について、タニタの視点でご紹介します。
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株式会社タニタ 開発部 梅木 舜一
2023年入社。大学・大学院では生理学を専攻し、心拍変動をはじめとした生体のゆらぎについて研究してきた。入社後はさまざまな生体データに関する実験や解析、それに基づいた新たな健康指標の開発などに携わっている。
「フレイル」とは、加齢に伴って心身が衰え、要介護になるリスクが高い状態のこと。主に高齢者が該当するもので、30-40代の若い世代に当事者はあまり見られません。
しかし、フレイルの1歩手前の状態「プレフレイル」となると、状況は変わります。特にリモートワークが一般化した昨今は、座って過ごす時間の増加によって筋力が低下するケースが増えており、若い方でもプレフレイルになるリスクが上昇しやすくなっています。
タニタでは、年齢を重ねても健康で充実した人生を送っていくためには、30-40代からのフレイル対策が重要だと考えています。
とはいっても特別なことは必要なく、まずはフレイルへの理解を深めるだけでもOKです。なぜなら、フレイルは可逆性があり、また段階的に進行していくものだから。正しい知識があれば、この先起こるフレイルの兆候を見逃さず、早期に対策を打てます。
そうやって若いうちからフレイルを意識し、生活を少しずつ正しておく……今なら、そんな「小さなコスト」で、長期にわたってフレイルを遠ざけるという「大きなリターン」を得られます。
裏を返せば、フレイルになってから脱却を目指すには、たくさんの努力や時間が必要ということ。「若い自分には関係ない」と思わず、ぜひ今日から意識していきましょう。
フレイルの簡易セルフ診断ツールとして広く用いられている、東京大学高齢社会総合研究機構の「イレブンチェック」。
以下の11の設問で、右側の◯が5個以上ならフレイル、3~4個ならプレフレイルの可能性が高いとされています。
▲出典:東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢「フレイル予防ハンドブック」から作成
この中で30-40代の方に注目してほしいのは、Q.2の食事習慣、Q.3の口腔の健康状態、Q.5の運動習慣です。
栄養バランスのよい食事を取ることやからだを動かすことは、年齢を問わず健康維持に欠かせません。
また、口腔の健康維持も、実はフレイル予防の大きなポイント。「噛む力が弱くなること」は、全身の衰えにつながる可能性があり、しかも若い世代でも噛む力が弱くなっている方は意外と多くいます。
リストの右側に◯が付いている項目を、この先何の意識もせずに改善できることは基本的にはありません。早めの改善を心がけ、フレイルになりにくい生活習慣を今から確立していきましょう。
30-40代のフレイル対策は、「規則正しく健康的な生活を心がけること」が基本。生活習慣病にならない生活を実践すれば十分です。具体的には、以下のことを意識しましょう。
健康診断や歯科検診を定期的に受診し、問題がある場合は速やかに改善することも、重要なフレイル対策です。
現在のからだの状態をきちんと把握し、「悪循環に陥る1歩目」を踏み出さないように意識してください。
30-40代のフレイル対策には、体組成計に継続して乗り、データを記録することもおすすめです。
着目してほしい指標は、「体重」と「体脂肪率」、そしてはかれるなら「筋肉量」です。まずは、身長や体質なども踏まえて適切な体重、体脂肪率であるかどうかを把握しましょう。そして、「体重はそのままなのに体脂肪率が増えている=筋肉量が減少している」といった危険な変化が起きていないかもチェックしてください。
意図しない体重や筋肉量の減少はフレイルの代表的な兆候です。また、肥満も生活習慣病を招きやすく、そこから何らかの身体機能の低下が起こるとフレイルにつながることもあります。
データの推移は3カ月ほどの間隔で確認していきましょう。日々の数値の変化に一喜一憂すると測定が続かなくなる場合が多いので、長い目で見ることを心がけてください。
ちなみに私は、測定データがBluetoothでアプリに連携される機種を使い、食べ過ぎたと思ったときは体組成計に乗るだけ(データは見ない)にしています。これなら「体重や体脂肪率をはかった方がいいことは分かっているけど、今の数値は見たくない……」という方でも気楽な気持ちで測定を続けやすいのではないでしょうか。
フレイルの代表的な特徴に、下半身の筋肉の衰えによる歩行・バランス保持への支障が挙げられます。
タニタの体組成計の中には、脚の筋肉量を「脚点」として評価する機種があり、下半身の筋肉の維持・向上を目指す方におすすめです。ぜひフレイル対策に役立てください。
私自身は普段の生活の中で、運動を続けること、座り過ぎないこと、よく噛んで食べる食材を常備することを実践しています。それらは「健康に生きるための生活習慣病予防」として行っていることですが、自ずとフレイル対策にも役立っています。
冒頭でもお話ししたとおり、がんばり過ぎる必要はありません。ぜひみなさんも少しの工夫を今から積み上げていきましょう。
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